伊豆トレイルジャーニー、誰よりも楽しんできました〜 3月9〜10日

茅ヶ崎発11:28発の東海道線で熱海に向かい、乗り継いで三島へ。伊豆箱根鉄道に乗り継いで修善寺に13:52に着いたが、バスが満杯(修善寺駅前より少し前の自家用車用の駐車場が始発だから、そこから乗り込む人が多いため)で、しばし待つ。直射日光が照りつけ、かなり暑かったので、帽子をかぶった記憶がある。
大会関係者が臨時バスを手配してくれたので、20分待ちくらいでバスに乗り込む。約1時間半で松崎の受付会場に到着、選手登録前に携帯品のチェックを受ける。このチェックが、UTMFばりに厳しいという声があったけど。
必携品は、コースマップ&コンパス、携帯電話、個人用のカップ(マラソン大会のような紙カップは用意しない)、1リットル以上の水、ライト2個&それ用の予備電池、サバイバルブランケット(もしも動けなくなった場合にカラダを覆う特殊軽量シート)、ホイッスル、テーピング用テープ、携帯食料、携帯トイレ、レインウェア(上下)、足首丈のランニングパンツ、防寒着(ダウンジャケットかフリース等)、手袋、ファーストエイドキット、保険証です。
これだけ背負うと、ザック含めて3.5kg。
スタート前日の受付&説明会で、鏑木さん&千葉さん(総合プロデューサー)から、大会のルールを含めて詳細な説明があったけど。その際、ボクの気持ちを鷲掴みにしたのは、こういう説明だった。
UTMB(Mt.モンブランを一周160km走る世界最高峰のトレイルレース)の表彰式をしている時に、制限時間ギリギリの最終ゴール選手が飛び込んできて、その選手にも(優秀選手と同様程度の)祝福が行われているので、この形式を日本で初めて実行する演出をしたいと。
この説明を受けて鳥肌がたった。これは、ボクのために考えられた演出なんではないかと。(←当然、思い過ごしだけど)
この大会に出場するにあたっての目標は、「制限時間14時間ギリギリでの完走」だったので、「制限時間内での最終ランナー」となることは、最高の目標になるんじゃないかな〜と。よぉ〜し、やってやろうじゃないかと。

受付を終えて、バスに乗り、振り分けられた石部の温泉民宿に向かう。既に到着していたランナーと共に、6時過ぎに夕食を広間で頂く。豪華! 一人1大瓶ビールで。
各自の部屋に戻って(4人で一部屋)22時前に就寝。イビキかいたら、ごめんね〜てな感じで、お互いにね。こういう時は、寝れなくても、ひとみを閉じて横になっているだけで大丈夫だっていうことが立証されているから、焦らずに、瞳を閉じるままで。
翌朝2時45分にi-Phoneで起床設定したら、同部屋の4人のうち半数がもう活動をはじめていた。それだけでびっくりだけど。着替えてテーピングして、朝飯食べに大広間に向かう。各民宿に昨晩午後23時に配給されたおにぎり弁当だが、お世話になった民宿のお味噌汁の気遣いがうれしい。(他の民宿に泊まった人は、バスの中で同じおにぎり弁当を食べている人もいた)
午前3時50分に、石部温泉のバス停に着いたバスに乗り込む。約15分でスタート地点の松崎新港に到着〜 そこで、いろんな友達と遭遇できたのは楽しかったな〜 
実は、スタート会場でストレッチをしていたら、ガーミン310のベルト部分のピンが外れて、びっくり。その場で修復するすべはなかったので、仕方なく、手にもって走ることに。ま、ニ度経験しているので、「あ〜あ、またやっちゃったか〜」程度のショックでしかなかったから、よかった。

スタートゲイトの空気入れ作業も完了!
5時半で荷物受付が終了し、選手はスタート地点に集まるよう指示がアナウンスされる。先頭に並ぶのは、ゼッケン番号が二ケタ以内のエリートランナー。その後ろに、目標タイムが8時間以内のランナー、その後に目標タイムが10時間以内のランナー、その後は適当にだったかな?
スタート前に、今一度鏑木さんから、「楽しんで」のエールをもらう。(ぶれぶれ写真でごめんなさい)

修善寺で待ってま〜す!鏑木コールから、カウントダウンしてスタート! 
海抜0mの新港から、まずはアスファルトの登りのロードを。

スタートして3km後に、シングルトラックのトレイルに入るところで、なるべく渋滞を起こさないための配慮だが、うまく機能したようだ。我々ゆっくりスタート組でも、トレイルの入口で1〜2分、シングルトラックに入ってからも5〜6分の渋滞で済んだ。
渋滞を抜けてから、マイペースで第一関門兼ウォーターエイドである宝蔵院(約8.4km)に、制限時間の1時間19分前に到着。よしよし、完璧じゃん。アミノバリューを持参のコップに1杯だけもらって飲んで、即出発。
ここから八瀬峠まで登ってから、長久郎山の林道をだらだらと下っていく。序盤だから、決して飛ばさずに、キロ5分半を上回らないことをキモに命じてコントロールしながら。で、当然登りは歩き倒す。後半の足を残すためにね。

黄金橋のエイドの入口にO夫妻が応援に〜 さりげなくってうれしかったな〜 エイドでは桜餅(さくら葉こしあん1/2、桜庭餅道明寺1/2)おいしかったで〜す! トイレの待ちが25分だとの情報あり。ボクはスルーで。ここから二本杉までの登りトレイルが、最初のちょっとした難関かな。

けど、標識がしっかりしているから、ルートに迷うことはない。

大会関係者の皆さんに感謝です。今大会は、コース上でお会いした全ての係り(ボランティアを含む)の皆さんに、「ありがとうございます!」が大きな声で言えたと思う。よしよし!
二本杉には、11時半には到着。目論見より30分も早い。休憩する選手が多い中、スルーして仁科峠を目指す。二本杉からのルートは12月に試走した経験があるので、確認しながらの走りだったけど、途中、猫越岳へのルートで、残り雪を発見。2月の大雪以降は雪降っていないとのことだったので、随分長い間、溶けずに残っていたものだ。

トイレに行かずに走り続けるボクは、トイレ休憩した女性ランナーに抜かされ際に、声をかけられることが多かった。あれ?さっき抜かれたのに、また抜かれる?的な。
仁科峠直前の熊笹のトレイル

↑ちょっとお腹あたりがふくらんでいるのは、腹巻きコルセットをしているからで〜す。

なんとか関門時刻の1時間7分前に、第二関門の仁科峠に到着〜。今回発表されたエイドの食メニューの中で、最も食べたかった大賞の「しお鰹うどん(1/2玉)」は、絶対に食べなくっちゃという勢いでエイド前に!おいしくて、カラダも暖まった〜気が〜)
このエイドは、唯一私設エイドを設置できるので、コーラとかいただいちゃう。あっ、かおちんみっけ! いちご美味しかったよ、ありがとうね!

仁科峠を後にして登りの稜線を歩き始めたが、風が強すぎるので、ザックからパラサイトジャケットを取り出し、着てから再スタート。遮るもののない風速20mの西風(真左から吹き付ける)に、何度かバランスを崩されながら、走ったリ歩いたり。
ほんとに、小さな女性ランナーは熊笹に突っ込むんじゃないかというくらい吹き飛ばされそうになっていた。風速20m恐るべし! なんとか風早峠、宇久須峠、土肥峠とマイペースで進んでいたが、ここでハイドレの水がなくなってしまった! 
前の仁科峠のエイドで、水、スポドリ、コーラをコップ一杯ずつ飲んで安心して、ハイドレに補給するのを忘れてしまった痛恨のミスだ。まだ次のエイドまでかなりの距離と時間がある。脱水だけは避けなければ。。。
そうだ。メダリストのエナジージェルがある。リンゴとハチミツで作ったジェルだけど、水分も少し入っているし、これでなんとか水分を補給していこうと思って、まず一袋口にする。うん、他のジェルと違って、補給してから水を欲しない。いいぞ。
ま、一時間くらいのマイペース走りなら、水分補給なしでも行けるだろう。南無妙峠を越えるあたりで、そういえば12月の試走の時には、鏑木さんに引っぱってもらって走ったところだということを思い出した。念のため、エナジージェル2袋目の補給も。
吉奈峠を過ぎ、船原峠を越えて、西伊豆スカイラインの舗装道路を登っていく、もっともイヤなルートを歩いて行く。ここは走れん! 山北の足柄峠の登りに例えると、公民館までのようなおこちゃまな登りだけど、40km以上のトレイルを走ってきたボクの脚では、歩いて登るのがやっと。
なんとか制限時刻の23分前に、最終関門&最終エイドステーションの土肥駐車場に到着!
やったぁ〜! 早速ハイドレに水を補充して、L-グルタミンの粉末を入れたハンドボトルにも水を補充。
トイレは3人待ちだったので、初めてのトイレ(大小兼)。ここのエイドの目玉であるイタリアンポタージュスープは、残念ながら残っておらず、暖かいコーヒーも作成中とのことで、暖かいものが補給できなかったのは痛かったけど。
制限時刻ぎりぎりだということで、この時間ここでリタイアする選手も多かったみたいだけど、最後の力を振り絞って、ゴール目指して走り始めた。
自分なりの皮算用では、最終関門を通過できたなら、制限時間内のゴールを確約されたも同然〜的な計算だったので、制限時刻の10分前に関門をスタートできたときは、もうゴールシーンを思い浮かべていた。
最後の難関、達磨山を登り切ると、神々しい富士山が目の前に現れた! 



もう、走るのをやめて、写真を撮るしかない。茅ヶ崎の自宅からも富士山は見ているが、人生60年の中で、一番神々しい富士山だった! 
こんなステキなトレイルを、10時間もかけないで走り去ってしまった選手は、こんな素晴らしい光景を見ることできなかったんだろうな〜可哀想に。と、ほんとに可哀想に思ってしまったのだった。
西側の駿河湾を見れば、まさに夕陽が沈んでいく時!


正面に富士、左手に夕陽! なんたる光景!! ほんと、涙でました。
でも、さすがに脚が終わった感も強く、古傷?の右膝の痛みが復活したので、ロキソニンを再度投入かと思ったけど、なんとかゆっくりペースでも制限時間には間に合うと計算していたので、割と精神的には余裕だった。
防火帯で幅がたっぷりある芝の極上の下りのトレイルがはじまるちょい前から、ヘッドライトとハンドライトを付けて、慎重に下っていく。本格的なトレイルでのナイトランは初めてだったけど、急な下りに注意さえすれば、ロードと同様。
なんとかだるま山高原レストハウスに到着したが、さすがに誰もいない。自販機でホットコーヒーを飲んで、トレイルに戻った。
こっから先は、試走していないので、どういうルートか解らないけど、基本は下りでトレイルとロードが交互に出てくるとの情報は持っていた。まだ制限時間まで40分以上もあるので、もう楽勝だな〜と。
ゴールしたら、鏑木さんと千葉さんに、どういう言葉で、表現で、自分の感謝&歓びの気持ちを伝えればいいのか〜と走りながら考えていたら、自然に涙が流れてきて。
今日のこの日を迎えるために、千葉さん鏑木さんをはじめとする大会関係者の皆さん、ボランティアの皆さんが、どんなにご苦労をしてこられたのかを想像するだけで、また涙がでてきちゃって。立ち止まって泣いてました(笑)
だるま山キャンプ場を抜け、修善寺カントリークラブの敷地に入って、いよいよゴールは近いかな〜というところでのコース誘導の係員さん。「パワー注入します! ヘッドライトを手で覆って、夜空見てくださいっ!」その通りにして夜空を見ると、満天の星空が!
ほんと、パワー注入されました! ありがとう!
どこでどう計算ミスをしたんだか、今となっては解らないけど、余裕もって走ってきたはずが、気がつけば残り3kmをキロ4分で走らないと制限時間内のゴールは無理とでた。
虹の郷であと2.7kmだと告げられる。Uターンして200mの登りも走り抜ける。それからは
下りではあるけれど、70km走ってきた脚をこれ以上酷使するのは無理かな〜と頭で思ったけど、鏑木さんと千葉さんの姿が思い浮かび〜アドレナリンが出まくった!
もう、頭の中にあるのは鏑木さんと千葉さんのことだけ。絶対に制限時間内にゴールしなくっちゃ申し訳ないという気持ちで走った、跳ばした。
右膝の痛みも、今まで70km走ったリ歩いたりしてきた苦しみも、ほんとにすっ飛んだ。あと、1200mだよ頑張れー、という声を聞いた時には、さすがにもう時間内にゴールするのは無理だと計算できたけど、それでもキロ4分台のスピードで走った。3kgを背負って、70kmを移動し続けた男が、最後の最後で火事場のくそ力を出すことができた。
最後のゴールまでの温泉街の直線で、100mくらい先にJTBの長島さんの姿が見えた。長島さんがボクの姿を確認しながら、「柴山さん?」。確認したらすぐさま「柴山さん、きましたぁ〜!」と大声を出しながら、温泉街の直線から左に入ったゴールゲイトに向かって走りながら叫んでいた。
ゴールゲイトが見えて、ああここがゴールなんだと確認できたら、総合プロデューサーの千葉さんが走りよってきて、一緒に笑顔でゴールしたぁ〜!(ちょっと涙出たけどね)

(このゴールシーンを反対側から撮影した写真が、ITJの公式HPのPHOTO欄の最後の写真としてアップされてます。てへ。)

そしたらゴールの向こうに鏑木さんの笑顔が見えたので、それに向かって飛び込んで、ハグした〜〜! 




DJの人が声を荒げて叫んでいたけど、その言葉は覚えていない(すんません)
あ、かおちんの顔がゴール場面でも確認できたのが、とってもうれしかったよぉ!
ま、制限時間が過ぎちゃってるけど(制限時間を過ぎてからゴールした最初の選手ということで)、ゴールゲートの壇上に上げられて、鏑木さんからインタビュー受けたり、写真撮りまくられたり、いやはや、申し訳ないっす。

最後の最後の計算間違いで、結果として制限時間を4分弱クリアできなかったけど、予定通り走ることができたという点では、全く満足しています。
それにしても、素晴らしいジャーニーだった。事前の試走イベントで、千葉さんや鏑木さんの熱意やご苦労話を聞いていたので、余計、この大会は成功させなくっちゃの思いが強くなって。
今回のジャーニーでうれしかったのは、コース上に落ちていた「補給後のジェルの外袋」を、すぐ後ろに後続ランナーがいないことを確かめて(急に止まると、真後ろのランナーに迷惑だから)拾ったりしたけど、それを少し後ろから見ていた女性ランナーが、ボクを抜かしてしばらく走った後に、率先してゴミを拾ってくれるようになったこと。
こういったことが、ジャーニーの連鎖の醍醐味かなって。

トレイルレースではなくって、トレイルジャーニーであるということ。これこそが、トレイルランの裾野を広げていく、重要な着眼点ではなかろうか。
ま、とにかく、制限時間以上にコースをウロウロしていたのは、ボク以外数名なので、トレイルを14時間以上かけて、誰より楽しんできたというのは、間違いないっしょ!(笑)

ゴール地点から、自分の荷物を受け取るまでの遠さ=疲れた足では徒歩10分=や、そこまでの誘導路線のなさ(誰も誘導してくれなかった)は、次回開催の反省点だろうな。(次回はゴール地点が今回の荷物受け取り地点に変更になった模様)
あと、ゴール後に楽しみにしていた「しし汁」が、11時間台でゴールした選手でも残っておらず食べられなかったことは、次回改めて欲しい。また、荷物を受け取ってから、その日の宿泊施設へ辿り着く前の「夕飯」をとる店の少なさ(日曜日だからなのか、早めに閉店してしまう店多し)には、閉口した。
これは、何時に戻って来れるか解らない(初心者な)参加選手にとっては死活問題であるために、次回以降の重要なポイントになると思われ。よろしくお願いします。
ま、とにもかくにも、今回の伊豆トレイルジャーニーは、大成功だったと、一参加者として、多大なる満足感とともに報告しておきます。また来年は、より素晴らしい大会となりますよう!
なお、コースの詳細と数多くの写真は、2012年12月1〜2日の試走日記に納めてありまので、そちらもご覧下さい。http://d.hatena.ne.jp/shonanbowz/20121204/1354613418
http://d.hatena.ne.jp/shonanbowz/20121205/1354721484

今日の走り73.5km 月間走行距離=119.2km。
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