「赤い夕陽のBlue Cap」について

ケニヤの舞台を観終えての所感。今回は、初日・4日目・楽日のマチネとソワレと、6回中4回鑑賞。カタイ意見になっちまいました。てへっ。

▼今回の公演の「位置づけ」

「昨年10月に成功をおさめた本多劇場での公演の直後の公演である」という重要な認識と、直後とはいうものの、「あれから4ヶ月以上も間隔が空いている」という事実とを どう折り合いをつけて、今回の公演を位置付け、その内容の方向性を導き出すべきだったのか?

本多劇場の公演では、それまでと比べて格段に多くの「新たな観客」を動員したわけなので、その人たちを一過性の観客としない、すなわち「リピーター」として取り込むための戦略・戦術をとるべきであったはずである。せっかくあれだけ時間をかけて苦労して街頭売りしたチケットを購入してくれた「新規開拓顧客」を、「リピーター」に育成するためにすべきことは、何だったのか?

・・・ということを考えれば、新たなシナリオライターを起用したり、新しい演出家に任せたりすることは、このタイミングでするべきではなかったことは明白である。 次回から、「やや難解なシリアス舞台」ではなく、「テンポのよいお笑い舞台」に戻すべきだ。


▼今回の舞台の「出来」

脚本が直前まで上がらなかったという事実があるにせよ、観客から金をもらって幕を上げた以上、あの初日の舞台の出来は、プロとして失格・・・云々の指摘は、すでに腐るほど受けていると思うし自覚もしているようなので、あえてここでは追及はしないが・・。

・・という惨憺たる結果から、たった二日で土曜日の舞台レベルにまで戻したことは、賞賛に値すると思う。 ただし、毎回感じることだが、なぜ土曜日レベルの舞台を、初日からできないのか?

出来とは やや別の角度になるが、例えば倉本と菊池のダルメシアンスヌーピーの場面で、初日から楽日まで、衣装を含めてすべて演出が違っていたのは、誰の判断によるものなのか知りたい。倉本と菊池が、自主的にやっていたとしたなら、それは素晴らしいことだと思ったりしたけど。

ケニヤと池田との セリフの「間」が絶妙だった。 また公演を通しての演技・セリフの安定感で、ケニヤが核となってみんなをリードしているように感じた。ふむふむ。


▼今回の公演としての「成績」

とにかく、チラシができたのが公演開始の2週間前というのでは、お話にならない。また、そのチラシには、どういう内容のストーリーなのかが全く触れられておらず、ストーリーとは関係ないポーズでの写真が虚しく掲載されているのみである。

DMとして手刷りのハガキを送付したようだが、例によって届いていない人がかなりいたようだし。なんといっても、せっかく素晴らしいホームページがあるのだから、なぜもっと活用しないのだろうか? 少しずつ稽古の様子を知らせたり、見所をリークしたりして、事前のファンの期待感を盛り上げるツールになるはずなのに・・・。


前回の本多劇場での成功で、過信してしまったとしか思えないおそまつな「営業活動」には、猛省を促したい。



▼次回公演への「期待」

次回のD.B.Factoryでは、なんといってもケニヤと倉本の二人だけの「虫シリーズ」に対する関心度が高い。 この二人だからこそ、どんな展開になるのか想像がつかない・・・ということが、期待感をあおっているのだと思う。 そんな期待感の、はるか上を行く「裏切りのパフォーマンス」を見せてくれ。・・・と、プレッシャーを与えておこう。

3月31日(月)19時から、4月1日(火)17時から、20時から の3回公演。場所は新宿・厚生年金会館の向えシアターブラッツ。 どちらさまも、よろしく〜。