「虫シリーズ」に乾杯

いやぁ、正直いって、あそこまでの凝った構成のシナリオが
二人に書けるとは思っていなかった。 素直に ぱちぱちぱち。

オムニバス形式にするんだろうなーとは思ったけど、
それぞれの話が、巧みに関係していて、暗転するごとに
「なーるほど」と唸らせてくれたし。

構成の妙があったからこそ、二度目、三度目と繰り返し観ても
鮮度は失うどころか、新たな発見をする楽しみすらあった、
とここまで書くと、こりゃほめすぎだわなー。ははは。

一回目の公演で気になったこと。
客層年令がやや高めということもあってか、最初の前説風な
登場から、漫才ネタに至るまでの間で、つかみの笑いが
なかなかとれなかったこと。

それが以降の展開における「観客」との関係において、
なんとなく見えないバリアとなって、やや重い雰囲気に
なってしまっていたこと。

それが、どうだ。

二回目以降では、登場の仕方の演出をガラリ変えることにより、
のっけから見事つかみに成功し、そのまま自分達のペースの
笑いの渦の中にに巻き込んでいったし。

こういう修正ができることが、経験の証でもあるわけだ。
場数を踏んだ二人だからこそ。 さすがだった。よしよし。



例えば、「マコっちゃん」における本読み場面の演出について。

家政婦ロボ(クラモト)の抑揚のある語り口に対峙させるべく、
マコっちゃん(ケニヤ)のしゃべり口は、生身の人間ながらも
一本調子で かったるそうな、いわば高校生しゃべり(?)
としたほうが、観客には分かりやすいんじゃないのかなー。。。

。。。と感じたら、これも二回目以降、修正してくるし。

以心伝心というやつかもしれんなー。



今回、クラモトとペアを組めたことに感謝しなきゃいかん。

あのパワフル&ダイナミックな演技力の奥に秘めた、
繊細な感性から生まれた「Bee」やら「マコっちゃん」という
しんみりストーリーがあったからこそ、「ぴっちぴち」や
「夫婦ゲンカ」での爆笑が生まれたのであり、爆笑が
あればこその、目頭うるうるストーリーなわけで。

クラモトとの演技のスウィング感の他に、脚本(構成)においても
まさにスウィングしていたということだろう。
うん、相乗効果というより、「スウィング」のほうがしっくりくるな。
 絶妙なるスウィング感!

ま、とにかく 今までに公演を観たお客さんのみならず、
初めてのお客さんまで、全員が「次回公演が楽しみです」と
言っていたのは、なにもこのオレに対する社交辞令だけでは
決してないハズだ。

三回目の公演終了後の舞台上でのあいさつのときの、二人の笑顔。

ほんとにまぶしかったぞ。

。。。。。おつかれさん。 で、乾杯っ!