お見舞い

オヤジの様子を見に名古屋に行く。
オフクロをピックアップするために、まず実家へ。

かろうじて「息子」だと認識してくれたようだが、
次男・風には「あんただれ?」状態。

冷蔵庫、風呂場、トイレをチェックするが、異常は
認められず、安心する。

自家用車で病院まで行こうとしたが、クルマの鍵の
居所がわからず、断念。

とりあえず、地下鉄の駅に行く途中の店に入り、昼食。
オフクロはお腹はすいていないといいつつも、好きな
ビールを飲みたがる。

一杯だけだよ、とコップにつぐ。ごくごくとすぐ飲みほす。
しばらくして、自分のコップにビールが入っていないのに
気づいて、「なぜ私だけ飲ませてくれないの」と。

じゃあ、もう一杯だけだよと注ぐと、「あんた、だれ?」

注文したミニひつまぶしを、ばくばく食べる。お椀に
よそおえば、空になるまで食べる。お茶漬けにしても食べる。
さっき食べたことも忘れてしまっているかのように。

地下鉄の駅の階段も、なんなく昇降できた。
毎日地上4階までの階段を上り下りしているおかげだ。
っていうか、84にして背筋まっすぐでスタスタ歩く姿は
驚異的ですらある。

だから、アルツのボケ症状が、余計に哀れだ。
夫婦二人で、相互補完して一人分の機能なのか。

なんとかオヤジのリハビリ病院にたどり着くが、日曜なので
玄関が閉まっている。 ようやく建物内に入ったものの、
受付らしき場所がない。

建物内に入れば、オフクロも思い出すと思ったら、
「ここは、どこ?」状態。 あ〜あ。

エレベーターに乗ったら、なんとなく病室への道順を
思い出したようで助かった。

脳溢血で何度か倒れたオヤジだが、11ヶ月の入院、
6ヶ月のリハビリ入院の成果で、ゆっくりゆっくりだが、
しゃべれるようになっていた。

言語を発するのは不自由だが、記憶とかは全く衰えて
いないことに逆にびっくり。孫の年令を暗記していたり。

肌ツヤもオレよりいいと皆に言われるくらい、ほんとにいい。
だって、皺がないんだもん。 なんでだろー?

今度はケニヤ一家を連れてくるからと、病院をあとにする。
オフクロを実家に連れて帰る途中、また「ここは、どこ?」状態。
ちゃんと実家まで一緒に行くからと、安心させて。

守口漬と、ベビースター味噌煮込みうどんをおみやげに。
帰路につき、19時半に茅ケ崎に着く。

こだまではぐっすり寝ていたが、精神的に疲れた。