風のオヤジ越え

年末は、鮨割烹料理人である次男・風の一年で最も忙しい時期である。その忙しさの間隙をぬって、27日の昼食時間の片付けを終えてすぐ新幹線で名古屋のお通夜にかけつけてくれた訳だ。そのあとはその日の最終新幹線で茅ヶ崎に戻り、明けて28日は朝イチで店に出て、昼夜共に予約で満席のフル回転状態をこなして東海道線の最終で帰宅。

翌29日と30日は、店のお節料理の仕上げのために朝からフル作業で予約分のお節を完成させて、30日の夜にようやく年度末の打ち上げがあったらしいけど。彼は31日の朝7時から、地元茅ヶ崎のおばんざい屋でおせち料理を仕上げるバイトの約束があるので、どうしても最終電車茅ヶ崎に戻っていないとダメなのであった。

ところが、最終電車到着時刻をずいぶんすぎても帰ってこない。ケータイに電話しても出ないので、しょーがねえなあと、こっちも寝ちゃったけど。実はとんでもない小旅行をやっていたのだった。

彼の記憶があいまいなのであくまで時刻表を見ながらの推測なのだけれど。まず横浜駅で、下り東海道線の最終電車である小田原行きに乗ろうとしていたが、その前にホームに入ってきた「ムーンライトながら」という大垣行きの寝台列車に乗ってしまったらしい(本来は入り口で指定券のチェックをしていて乗れないはずだが。。。0:10横浜発)。で、寝過ごしに気づいて三島で飛び降りたらしい(1:36三島着)。

三島駅構内を閉め出され、駅前のタクシー乗り場に行って、運転手さんに茅ヶ崎までの値段を尋ねたら3万円くらいだと言われ、朝7時からのバイトの約束(バイト代1万)を果たすために、乗るべきかどうかを酔っぱらった頭で考えていたらしい。そうしたら事情を聞いた親切なタクシーの運転手さんが集まってきて、タクシーで沼津まで行って一時間くらい待てば、上りの夜行列車に乗れるから、という親切な提案を。


で、約3千円でタクシーで沼津に行き、無事上りの夜行列車に乗りました(2:56沼津発)。ところが、どっこい、世の中そんなに甘くない。小田原で降りるはずが気がつけば横浜に(4:17横浜着)。でも東海道線の下りの始発がしばらくしたらきたので、結局茅ヶ崎に早朝5時半ごろには無事?到着し、家でシャワーを浴びてから、しゃきっと約束の朝7時のバイトに間に合ったというお話でした。

うーん、ある意味、既にオヤジを超えたな。特にタクシーの運転手さんを味方につけるところなんか、すばらしいな、と、この話材を備忘録にしたためた次第で。ふう。