ファン念願の花見と居酒屋体験

2001年1月に公開された故・相米監督の遺作となった「風花」の冒頭シーンで、飲んだくれて酔いつぶれた後の早朝、桜の木の根元で目覚める、風俗嬢ゆり子こと小泉今日子と、文部省キャリア官僚廉司こと浅野忠信。最初から相米監督得意の5分間ものカットなし長回しのシーン。ああ、ここで花見をしてみたいものだ、と思い続けて6年目の春に、その願いがついに叶ったのだった。

JR吉祥寺駅の南口を出て、井の頭公園へ歩く。公園内は足の踏み場もない程のビニールシート上で花見をする人ヒト人。。。。ジグザグにしか歩けない公園内を抜け、井の頭線井の頭公園駅のそばへ。風花のパンフレット「花の巻」(ファンで持ってる人は開いて見てみようぜ)を持参して、10頁の街路灯と後ろの家屋、60頁の石組みの模様?を見ながら、ここだという木のたもとの場所を確定・確認してきた。

富田ゆり子と澤城廉司が春の明け方目覚めたのは満開の櫻の樹の根元ではなく、ケヤキの木の根元であったことも判明してしまったのだった。(あの桜の花は、隣から伸びていた桜の樹の枝のもの)

改めて風花の冒頭シーンをDVDで見てみると、5分もの長回しの最後のほうに、ゆり子が履いていたハイヒールを足の一振りで跳ばして、帰ろうとする廉司にぶつける場面があるが、あれは一発でできたのだろうか、とか、いろいろ想像してしまう。

そのケヤキの根元で、厚木で買った「若鮎あられ」(←キョンちゃんが大好きと公言済み)をつまみに缶ビールを飲むという結構マニアックな花見に満足したのであった。満員の井の頭公園のメインな場所からかなり離れた所なので、まわりにビニールシート敷いている人もいなくて、しっかり感慨に浸れたし。

パンフによると、このシーンでクランクインしたのが2000年4月9日であり、7年前のあさって満開だった桜は、今年の7日には、もう桜吹雪状態であった。

肌寒くなる前に、JRで国分寺に移動。次に目指すは、「センセイの鞄」に登場する居酒屋「喜八」。店自体は、L字型カウンターの10席に、6人掛けテーブル一つの小さな店。この店をモデルに、確か緑山スタジオ内に倍以上の規模の店のセットを組んで、撮影したと聞いている。

実際の喜八は、70近い女将と60越えのお給仕おばさんの二人で切り盛りしていたが、6時半には満席となるほど繁盛していた。客層はほとんどが60越えの常連さんという感じ。映画内で月子ことキョンちゃんとセンセイこと柄本明が注文していた「まぐろ納豆」がなかったので「まぐろぶつ」を。「煮込み」や「おから」「もづく」などをサカナに、樽酒(剣菱)をぐいぐい。月子さんのような人が店に居れば、もっと盛上がっただろうに。。。てへ。