そして 赤坂 (ケニヤへ)

ケニヤが客演している印度華麗という劇団の「大江戸に降る雪」
の二回目を観にいく。
あの感動はホンモノだったのかどうかを確かめに。

さすがに5公演めとなると、台詞のトチリや殺陣の細かなズレなどが
やや目立ってきたように感じたが、感動は色あせてはいなかった。

確かにケニヤのいうように、 笑いをとりにきている部分の稚拙さは
目についたけど、それは刺身のツマ的なお約束部分と受け取れば、
流して見逃せる類いのモノだったと思うが。。。。

時代劇の舞台は、台詞が日常とは異なるため、それだけで突っ走ると
必要以上に堅い感じがしてしまうので、さしさわりのない範囲での
笑いを絡めるのが常套手段なわけだが、そこで本格的な笑いを
とってしまうと それは本末転倒でヤバイことなわけである。

だから、笑いにも「形式美」が求められるわけだろう。
それが現代的な笑いのセンスにマッチしないことは、当然あるさ。
(笑わせることを目的とした日光江戸村での芝居とは、ちょいと違う)

でもそんなことを無視してもおつりがどっさりくるほどに、今回の
舞台は「見事」だった。

なにはともかく、シナリオがよかった。 骨太のわかりやすい大筋を
どっしりすえた上で、複数のストーリーを絡ませ、伏線をはる。

そのシナリオがあるからこそ、あの集団での殺陣が冴え渡るのだ。
(それにしても一舞台で千手以上の組み手とは!)
スピードある本格派の集団殺陣は、十分にプロの仕事だった。

衣装ひとつでも(時代考証面はさておき)、それぞれにすばらしい
ものであったし。(金かけてるなーって感じ)

1ヶ月以上も前に脚本が上がっており、チラシの配布開始と
同時に稽古を開始することは、どういう相乗効果があるのかが
よ〜くわかった気がした。

おそらく、こっちのほうが「普通」であり、DeepBlueでのことは
「普通ではない」と思うけど、どちらも体験したことは、今後
ケニヤにとって絶対にプラスになると思うから。

とにかく、観る前に期待値を下げ過ぎてしまったということも
多分にあるが、この印度華麗の舞台が、今年の「期待以上
の出来大賞」を獲得するのはまちがいないだろう。

ま、無事終わって、おつかれさまでした。

次の18、19日には、ほんとに出ないのかな?