通夜

既に何年も前から、心の準備ができていたので、
訃報にも全く動ずることなく、冷静に対処できた。

小田原経由こだまで名古屋に移動し、山本屋本店で
味噌煮込みうどんを腹に詰めこむ。名古屋の通夜は、
葬儀会場で飲みながら一夜を過ごす事になるからである。

オフクロの死顔は、先月見舞ったときに比べて、
明らかに肌に張りが戻り、想像以上に綺麗だった。
詰め物というより、死の直前に顔がむくみ、張りが
戻ったとのこと。

見栄っ張りだったオフクロらしい見事な死顔だ。

通夜が終わり、兄貴一家との飲みのステージに入る。
鱸釣りと消防団活動に熱中するあまり、会社経営を
おろそかにしている兄貴に、そこで働く兄貴の次男と
義姉の懇願の声が痛かろう。。。と思ったら、
全然こたえていないようだ。

いい加減に目を覚ませよ、兄貴。。。と泥酔。