シルヴィバルタン ライブ 3月29日

渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて三日連続公演の中日に行く。最近のパリでは大会場を11日間フルハウスにした実績があるらしいけど、東京のこの広さで三日連続というのは、ちょっと無理があるだろうなーと思ったら、案の定ちらほらと空席が目立っていた。
客層は、今まで行ったコンサートの中で最も平均年令が高い客層。彼女と同世代の60歳代がやはり多い。そしてみんな微笑ましいほど小洒落た格好をしていて。にやり。フランス大使館が後援しているだけあって、フランス人っぽい外国人もかなり多いし。
超一流のエンターテイナーとしては珍しくほぼオンタイムにステージ開始。ステージの真ん中後方のスモークの中からシルヴィが登場してきたとき、感動で涙がでてしまった。うう。プラチナブロンドの髪に合わせたような同色のパンタロンスーツ。ややお腹周りが太めかなと感じる程度で、とても63才とは思えない軽やかなステップに、伸びやかなハスキーヴォイス!観客を乗せようとするが、なかなか手拍子もできない日本のジジババたち。あ〜もどかしい。
それが往年のレナ○ンCMソング〜「ドライブウェイに春が来りゃ〜♪ イェイェイェイェ〜イエイ、イェイェイェイェイ〜♪」をアカペラで歌い出して、観客を一気に乗せてしまった。すげ〜。途中、フランス語のMCには、日本語の通訳が流される。だんだん一体感が出てくる。日本のジジババがんばれぇ〜と念じていたら、きっちり一時間で、20分間の休憩。ジジババのトイレタイム。
後半はスカイブルーのノースリーブのミニワンピース、キラキラ付き(笑)プラチナブロンドも老人になれば白髪になるのかなー、だったら染めているのかなーなどといらぬことを考えながら、次々に歌われる60年代の名曲の数々に、時代感覚がフィードバックしていく。
シンプルな編成のシンプルなアレンジで、ややゆっくりめの「アイドルを探せ」に、鳥肌が立ち、一気に中学生のあの時に戻る。声に出さずに口ずさむ。フランス語らしき発音で歌える唯一の曲だから。ほんとにレコード盤が擦り切れてしまうかもと心配するぐらい繰り返し聞いたもんなぁ〜。多分、観客の大部分のジジババも同じ感覚だったに違いない。
最後の曲が終わると、数人が花束を持ってステージの真下まで近寄る。会場はアンコール要請の手拍子。シルヴィが再登場して花束を受け取り、握手なんかしたもんだから、観客はどんどんステージ前に動く。それは走って我先に殺到するのではなく、ゆっくり一歩ずつ歩いてステージのそばまで行くという感じ。会場全体に、ステージそばに行かなければ、という雰囲気が漂ったのか?熱狂的ではなく、あくまで穏やかに握手を求めて差し出す観客の手に、シルヴィの手が触れて握られていく。なにやら、シルヴィが救世主で、観客がその出現を待ち望んでいた民衆のような、神々しいシーンに見えた。もう会場は何でもあり状態で、ケータイでフラッシュ撮影する輩も大勢出現して、係員がそれを止められないくらい。観客が差し出す花束はおろか、プレゼントが入った手提げ袋まで、彼女は受け取り続ける。こんな光景は、ダイアナロス以来だなーと感心。まあ、宝塚なんかは、いつもこんな感じなのかも?と思いつつ、会場を後にした。約30曲、タイムトリップ的満足至極。
ライブ終了が8時半だったので、茅ヶ崎に戻ってフランスワインをボトルで頼み、ライブの余韻をじっくりと楽しむ。2秒3、いい店になったなあ。う〜ん、満足な夜♪