第5回 鎌倉アルプス・トレイルラン 2月22日

前日はやっぱり酒飲みながら、鏑木毅氏と石川弘樹氏の走り方DVDを見て興奮してしまい、ベッドに横になったのは2時半だったが、6時半に目覚めよく起床。ストレッチをしながら、おにぎりを3個食べ、トイレに2回行って、7時半に出発。
ちなみに昨晩取り揃えたウェアは、上半身はasicsのネームが入ったオレンジのTシャツで、その下に吸収性と発散性に優れた多機能性ノースリーブシャツ(用するに汗をかいてもべたつかないというシロモノ)、下半身はCW−Xのスタビライクスモデルの足首まであるやつに、ふくらはぎ専門のバスケットボール選手用のMuscle Inpact(サポーター)を両方、CW-Xの下に。
CW-Xの上にはモンベルの黒いショートパンツ(風よけ用)。肝腎のシューズは、雨が降った日の二日後でもあるため、岩盤でも滑りにくく軽量でもあるTEVA X−1のトレイルランシューズを。
背中には石川弘樹氏のアドバイスを基に作られたGREGORYのRufous(オレンジ色)に、NATHANのハイドレーションシステム(1リットル用)を搭載したものを背負って。(ただし、今回用に注入したのは400mlのみ)。キャップはNIKEの、黒色でサイドがメッシュになっているヤツ。
家を出るときには、それらの上に、上半身はUNIQLOのエアーテック(黄色)を、下半身はadidusの風よけオーバーパンツ(グレイ)をはいて、いざ自転車で茅ヶ崎駅まで出発!
途中で、ケータイを忘れたことに気づき、戻る。今回のレースは、もしもの時のために、地図、ケータイ、方位磁石、保険証、水、非常食、防寒具、を携帯して参加することを義務づけられているのだった。
8時20分に港南台駅に着く。改札口を出たら、ボランティアの人がスタート地点の港南台高校への矢印看板を持って立っていたので、お疲れさまで〜す、と会釈して会場に向かう。
受付でゼッケン番号と参加賞のタオルを受け取り、そのへんの日なたでゼッケンを取り付ける。ボクは既に走る格好をしているので、エアーテックとオーバーパンツを脱いで、持参した45リットルのゼッケンナンバーを明記したゴミ袋に詰め込み、それを預ける。半袖のTシャツの上には、モンベルのウインドブレーカーを、スタートするまで着用。
会場の高校で、エナジージェルを補給し、トイレでおしっこ。
9時になったので、高校の向かえにあるグランドに移動して、柔軟やったり、軽くジョグしたりしてカラダをほぐす。
9時半からこのレース恒例の、レース前のラジオ体操がはじまる。第一はわかるが、第二なんてほとんどやらなかったし〜と思っていたけど、音楽が流れると自然にカラダが動き始める。
へぇ〜、おもしれえ〜。老若男女、ざわめきながらも、ちゃんとラジオ体操第2の動きをしている。。。。その中で参加者の西洋人の人達が、見よう見まねでぎこちなくやっているのが、微笑ましかった。日本国民のほとんど全員が知っている体操って、やっぱり不気味だろーな。
10時0分から、ゼッケン番号の若い順に50人ずつが、1分ごとのウェーブスタート方式。ボクは337だったので、10時6分スタート。グランドを3/4周してから歩道橋を渡って、高校前の歩道を、トレランコース目指して走る。。。と、大通りで信号に引っかかる。約40秒の足ふみ。一分遅れでスタートした人たちに早くも追いつかれちまったー。
ま、でもそんなことは気にせずにトレイルランコースへ。最初から結構急な登りだ。第1CP(チェックポイント)までは、心拍数を150の前半でゆっくり行こう。。。と思っていたのに、気がついたら163になっていた。
でも、そんなに苦しくないので、「レース参加してアドレナリンが出て心拍数が多めになっているんだ」と、湘南国際マラソンでの体験を思い出したので、163のまま流していくことにした。
各CPごとの目標通過タイムは、すでに頭に叩き込んであるから、それと比較しながら走りを調整していこうという目論見だったが、第1CPの大丸山の山頂から少し階段を下りたところで、「いけねっ、ラップタイムを計測してねーや」と気づくお粗末。
その時点で33分経過。目標タイムは前回の試走で出した29分なので、CPを少し過ぎてから気づいた分を差し引いても3分は遅い!体感的には、そんなはずはない、と感じても、実際時計が表示しているんだから、やっぱり試走の時より遅いんだろう、と無理矢理納得させ、もう少し前半からペースを上げていかないと、後半取り戻せなくなるぞと奮起してみた。
(後から気づくのだが、試走のときと比べて、グラウンドを3/4周走って歩道橋を上り下りして、歩道も100mくらい余計に走っているわけだから、そんなにタイムが遅いわけではないのだった)
大丸山山頂からの階段を駆け下り、本コースに戻る。と、すらりとした生足で背が高く、本格的な走りをする女性ランナーに抜かれた。この時期の多くの女性ランナーは、ロングタイツにランスカを履いているので、トレイルラニングでのなま足は非常に珍しいのである。
決してなま足だからというのでなく、本格的なランナーだから、前半のボクのペースメーカーになってもらおうと勝手に思って、ついていこうとしたけど、あっという間に離されていってしまったのだった。はえ〜。
ラジオ体操後の説明で、横浜市とのいざこざ?で、CP2は設置せずということになったので、次の目的地はCP3だ。横浜霊園の南側の尾根を走り、鎌倉パブリックゴルフ場のクラブハウスへの急斜面を駆け下りると、名物の10m岩盤が立ちはだかる。
その前で、なぜか茄子などのコスプレをした大会関係者が4人応援してくれていたのも微笑ましかったけれども。岩盤に、みんなは左側からアタックしているが、ボクはいつものように右からアタック。頂上に達する頃には4〜5名抜いていた。が、心拍数がなんと170台に! 
いかんいかん、と直後の下りのスピードを意識して落とす。だって、年齢から推察するアメリカ方式?によると、56才のボクの最大心拍数は174なのだから、170超えは流石にマズイだろうと、直感的に思ったんだけど。どないなもんでしょ?
このへんから、明月院の脇を抜ける薮道まで、たくさんの老人会グループの皆さんに遭遇した。こっちはほぼ全力で走っているので、ゼイゼイ声で「こんちは〜」と挨拶するのがやっとなんだけど、ご老人グループからは「がんばってね〜」とか「ほい、がんばれ〜」とか、いろんな声をかけていただき、ありがたかったなー。
でも願わくば、こっちのスタート時刻をもう一時間早くすれば、こんなに多くのご老人とすれ違うことはなかったんじゃないかなーと思うけど。遠方からの参加者や、ボランティアの皆さんは大変になるかも知れないけれど、ね。
てなことを思っているうちに、市街地に出てCP3に。タイムは1時間11分! 目標タイムより9分も遅いやんけ!と憤る間もなく、ふくらはぎが、ピクピクと反乱を始めやがった。
先週よりはピクピク開始地点は、やや遅いけど、せっかくバスケ用(陸上用より収縮・弛緩の激しいふくらはぎの動きに対応してるはず)のサポーターをしてやっているのにぃ〜
まあ、少しくらいストレッチをしても収まらないくらいは知ってるから、だましだまし走るしかないなー。と、六国見山への登山道までのコンクリートの急斜面を、その時点で一緒になったみんなと同様に、とぼとぼ歩いて登る。一歩足を踏み出すたびに、ふくらはぎが悲鳴を上げるが、今はお前の主張を聞いている訳にはいかんのだ!
9分遅れの状況が、諦めではなく、その後のやる気に繋がったのは、アドレナリンのなせる技なのかなぁ。結果として、コース最難関の六国見山越えを、かなりのハイペースで走り抜けたので、高野台バス停前のCP4では1時間25分と、ほぼ目標タイムのペースまでに挽回できたのだった。
今振り返れば、ほんとにそんなに頑張ったのかいなぁとも思えるけど、記録された時刻が証明している訳だから、ほんとなんだろう。すげーな、オレ。
とにかく12km地点のCP4のエイドステーションで、なにも補給せずに市道の坂道を走り抜けたのだった。ふくらはぎに爆弾を抱えながら。北鎌倉の駅の北側で線路の手前を左折。そのトンネルを抜けたあたりでカメラマンが写真を撮るために待ち構えている。。。。と、去年の記録を見て解っていたので、帽子を脱いで、ガッツポーズに笑顔でトンネルを駆け抜けた。。。のに、今年はカメラマンいないじゃん!
北鎌倉駅前の脇から円覚寺前〜踏切までは疾走禁止区間なので、ジョギングで観光客の迷惑にならないようにゆっくりゆっくり進む。踏切でまた30秒くらい引っかかったので、屈伸運動でふくらはぎを伸ばしてやる。
踏み切り越えてすぐを左折して、浄智寺境内の参道を、源氏山公園目指して、ゆるやかに登って行く。なんとか歩かずに。公園を過ぎれば、平坦なアップダウンの繰り返しで、最後の難関の大仏トンネル越えの157段の階段に臨む。もう根性しかないでしょ! 一歩一歩、手で膝を押しながら、太腿の筋肉のスタミナ切れさせないように、登って行く。
登り切ったら膝というか、太腿が笑ったので、ちょいと屈伸運動をして、やや給水。さぁ、急激な下りだ。でも市街地のアスファルトを走ると、途端にふくらはぎに「くる」。
だましながら、ようやく月影地蔵のCP5へ。2時間9分だ。目標タイムよりまた4分遅れになっている。試走の時はここから9分半でゴールまで行けたから、まあ2時間20分前後でゴールできるイメージができた。
月影地蔵から墓地を抜ける山道は、もうほとんど歩きだ。でも手で膝を押して進む方式なので、登るスピードは、ジョグで登っている人と変わらないのだった。要は、美意識の問題で、ボクは格好より、「より早く登れること」を優先したのだと言い訳しておこう。
墓地坂を登り切ったら、あとはもう海岸まで下り降りるだけだ。1500mもないだろう。ふくらはぎのことは考えずに、とばせるだけとばす。下り終わって市街地に出たら。。。なんと江の電の踏切で足止めだ。振り返ると、今日は信号や踏切で全て引っかかっているんだなー。三つ合計で1分半は、タイムが違うなーと思っていたら踏切が空いた。
踏切でたまっていた十数名の選手が、一斉に全力で走り出す。よぉ〜し、短距離なら望むところだ。全盛期(40年も前だけど)に百メートル11秒台だった俊足を見せてやるわっ!  とダッシュした瞬間、ふくらはぎが痙攣した。ちっ、こんなところで。
ちょっとペースを落として、砂浜にでて、最後の階段を駆け上がるときに一人抜いて、ゴール!
今回のSIチップ方式の時間集計システムにより、ゴールしたらすぐにCPごとの所要時間とゴール時刻が打ち出された「完走証」がもらえた。こんなすぐもらえるなんて、このシステムに感激。
これによると、第1CP=32分24秒、第3CP=39分24秒ということは1時間11分48秒。第4CP=13分36秒ということは1時間25分24秒。第5CP=43分54秒ということは2時間9分18秒。そしてゴールまでが11分26秒ということは、公認記録は2時間20分44秒 なのでした〜! これが去年だったら、50代以上の男性の部で10位の記録なのに。。。(女子だと2位だよ!)今年は選手のレベルが高すぎる。ロードでサブスリー(フルマラソンで2時間台で走ること)ランナーがいっぱい出ていたらしい。
でもでも、何といってもびっくりしたのが、2007年のハセツネで優勝した相馬選手がこのレースを走っていたということだ。それもぶっちぎりの1時間23分というタイムで!
このレースの出場者のブログで発見したんだけど、完走証を持って笑顔の相馬選手の写真が載っていました。あ〜、走り見たかったな〜。(その人も1時間43分と、かなり早いランナーなのに、相馬選手に抜かされたと気づいたので、走りが見たいと併走しようとしたけど、あっという間に離されてしまったと書いている)うん、同じことを体験した人のブログを読むのは、けっこう興味深いなぁ〜
今回は試走しているコースだったので、このコースでこの気温なら、このくらいの容量の水を背負って行けばいいというのが、なんとなく解ってきたから。ゴール直前の江の電の踏切で足踏みをくらったとき、チューブから水を飲もうとしたら、一口飲んで丁度なくなったのだった。こういったちょっとした事実が、うれしい積み重ねになるのである。うひ。
しかし、今大会は、ボランティアの皆さんや主催者側の対応が暖かく、適切な規模の大会だったと思うな〜。もうこれ以上は規模を大きくしないで、ロードのエリートランナーにも山道でのルールを知って守ってもらえる大会になってほしいと切に思います。
財政的に運営が困難なら、参加者への入浴券は必要ないと思うし。(ゴールから徒歩2分の稲村ケ崎温泉だったから、入浴券のありがたみがあったけど)だから、ボクは入浴券をお返ししました。
他の参加者のブログで読んだ、一部のランナーが声をかけることなく一般ハイカーの脇を走り抜けたので、一般ハイカーが怒った、という事実は、次の大会では決して起こらないようにしなければならないし。
 
順位が最終的に確定したら、書き込んでおきます。(ボクがゴールした時点での順位は、全体で200位前後、50代男性で35位くらいでした) ながながと最後までありがとうございました。