五橋を凛にて楽しむ会 5月15日夜

山口県は岩国の酒井酒造の日本酒のブランド「五橋」を、茅ヶ崎の日本酒居酒屋「凛」の料理と共に楽しむ会に行ってきた。
テーブルの上には仕込み水が置いてある。超軟水で美味しい水だ。基本的に軟水だとミネラル分が少ないため、お酒作りには向かないとされているが、酒井酒造では、日本酒の80%を占める水の美味しさを尊重したとのこと。
まずは発砲純米酒「ねね」と、前菜三種盛り(醤油漬けにした山牛蒡を青じそで巻いてキュウリの真ん中に詰めた「青鉄砲」、柔らかい新牛蒡をサラダ風に仕上げた「ごぼうピクルス」、香り高い山ウドの「山独活のきんぴら」)。
食前酒と先付けの関係が、とても良い。ねねは若干フルーティだがアルコール度数が5%前後と低いので、飲みやすく、酸味の利いた先付けと良く合う。
ここで、品評会や特別のイベント時にしか出さないという特別大吟醸がサーブされる。深い味だが、残念ながらやや冷やし過ぎ。こういう見事な酒こそ、冷や(=常温)で呑みたいものだ。(冷やというのは、決して冷やした酒のことではないですぞ)
2番目に、純米吟醸酒山田錦55%)と葛打ち海老の春蕪ソースかけ。春蕪ソースがやや濃いかなと感じたが、この酒と合わせていただくのなら、酒が進んでいいのかもしれない。
3番目に、純米酒(契約農家の山田錦)のぬる燗(40℃前後)と、ぐじ(甘鯛)と小芋の柚子味噌焼き。このぬる燗は、やや冷やし過ぎた冷やを飲んできただけに、美味く感じられた。柔らかい口当たりが美味さを引き立てる。
ぐじも単品では柚子味噌がやや強く感じるが、ぬる燗と合わせると味噌の旨味が口の中で広がって、見事。
4番目に、純米生酒(契約農家の山田錦)と鴨団子の含め煮(鴨もも肉を薬味と共に荒めの団子にしたものを五橋の純米酒と白味醂で少し甘めに含め煮したもの)。
この生酒は、本日一番気に入った日本酒だった。1升2600円前後と、まあリーズナブルだし。こってりとした鴨の旨味に、すっきりとした旨味でハーモナイズして口の中ですこぶる心地よい。まさに旨味が絡み合うという表現がふさわしい感じ。
5番目は、純米酒(神の米「イセヒカリ」で醸した純米酒)と炙り鯵の押し寿司と卵焼き。イセヒカリ純米酒は、昔の日本酒の味がした。地酒があまり流通していない時代、中では剣菱が一番美味しいと言われていた時代の、懐かしい味。
それに地元産の脂がのった鯵の炙り香+酢飯の酸味と、イセヒカリの酸味の相性がよかったな。ここで本日全ての料理と日本酒は出された訳だけど、日本酒はまだまだお替わりありということで、それぞれが気に入った日本酒をオーダーしたりして。
酒井酒造の酒井さんともいろいろお話をさせていただいたりして、とってもいい会でした。なんてったって、会の終わりまで誰も煙草を吸わなかったことがよかったんで、出掛けに凛ママに尋ねたら、たまたまらしい。
それはそれで残念だけど、やれば店内禁煙にできるんだから、もっと頑張ってもらわないと、ね。これだけ飲ませてもらって一人5千円は、すっごく得した気分で、凛を後にしたが、やっぱりお腹が「食べ物が足りないんじゃない?」とうるさいので、鉄砲道でトムヤムクンラーメンと塩ラーメンを腹に入れて帰りましたとさ。
それでも、翌朝計った体重はいつもより500g減! うしっ。 ちゃんと走っていれば、飲んでからのラーメン一杯も大丈夫だな。