45年待ち焦がれた「HAIR」を観た!! 6月5日

1964年オフ・ブロードウェイの初演を経て、いくつかの楽曲が追加されて1968年にオン・ブロードウェイ初演が開幕し、72年に閉幕するまで実に1750回も上演された、初めてのロックミュージカル=HAIR。
当時のベトナム戦争反対を訴えるアメリカの若者を描いたミュージカルは、たちまち日本でも評判になり、日本人キャスト(元タイガースの加橋かつみ等)による公演が行われたけど、そんなまがい物には全く興味はなかった。本場モノが観たい!
1970年には、フィフスディメンションが歌った「AQUARIUS/LET THE SUNSHINE IN」がグラミー賞の最優秀レコード賞を獲得したことで、楽曲にもハクがつき、舞台の評判も広まり、ますます本場のブロードウェイミュージカルとしての「HAIR」が観たかったけれども、ボクの米国留学時代には一度も上演されることはなかった。(ボクが帰国した翌年の1977年に再演されたらしい)
高校時代からカウントすれば、45年も待ち焦がれていたミュージカルがリバイバルされ、オン・ブロードウェイとロンドン公演を成功させて、日本にやってくるという。
これは観にいかなくちゃでしょ! ハコは渋谷ヒカリエ11F 東急シアター オーブ。なんとステージから3列目の通路側の席が確保できた。(結構出遅れたにもかかわらず)
このシアターは、ミュージカル公演用に設計されたシアターらしい。3階まであり約2000席もある。ただし、今回の公演は2、3階席は残念ながらガラガラだったけど。
19時過ぎに開演。冒頭のAQUARIUSをDIONNEが熱唱するところで、不覚にも涙が流れ落ちてくる。彼女の黒人特有の歌唱力に脱帽。超かっけ〜!
約20人の若者が歌いながら踊りながら、時には観客席に降りてきて。第一部の後半で、テーマ曲のHAIRを歌う場面は、(当時の)自由の象徴である長髪やカーリーヘアーを振り回して踊るんだけど、すぐ隣の通路で踊っていたロングヘアーの若者男が、ボクを見降ろしながらウインクして、ボクのスキンヘッドをなでたのだった。
第一部のラスト、Where Do I Goの最後でライトは暗くはなったけど、ステージ上の全員が全裸になる演出にはちょっとびっくりしたけど、このシーンだけが話題にならないのがスゴいな〜と思ったりした。
20分の休憩の間に、シアターを探索してみた。二階席、三階席からのステージビューを確かめたり、カウンターで販売している飲食物をチェックしたり。(シアターに入る前の11Fの店で420円で飲んだグラスワインは、シアター内では700円になっていた)
上の階から見おろした飲食販売カウンター

第二部では、白人と黒人の自由恋愛問題などを表現したり、マリファナを回し飲みして精神世界の旅に出たりしながら、幻覚の世界で独立戦争時代からベトナム戦争のシーンまで描かれる。
その中で、米国大統領から届いたベトナム戦争への徴集カードを焼いていく。。。
が、CLAUDEだけは短髪にし、軍服に身を包んでベトナムに出征していくのだった。残された仲間たちは、プロテストを続け、 Let the Sun Shine In の大合唱となってフィナーレとなるのだが、ここでも涙がこぼれて仕方がなかった。
ここからが、ミュージカルHAIRの真骨頂だ。観客をステージ上にあげて、出演者に交じって歌いながら踊る〜観客席でも立ち上がってみんな踊る〜Let the Sun Shine In~♪
もちろん、真っ先にステージに上がって歌い踊って、汗かいてめちゃ感動したよぉ〜

購入したプログラムを読んで、「1960年代当時の若者は、決して単なる反体制ではなく、アメリカを愛しているからこそ自分たちの理想を多くの人々に伝えたかったんだ〜」という演出者の言葉に、スゴく共感した。
それは、今のアメリカでも日本でも、同じことじゃないのか。我々は日本を、地球を愛しているからこそ、自分たちの理想を世界中の人に伝えていかなくてはならないんじゃないかと。
何だか凄い内面パワーをもらったミュージカルだった。

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