ダンスワークショップ 二日目

イメージを「動き」にする練習を続けます。四つん這いになってください。膝から上の足と手が、床から垂直に出ているように。その四本はそのままの状態で、あとの部分を脱力〜。頭が垂れ下がり、お腹も下がるため背中もくぼみます。 はい、緊張。(顔を前面に向けて、腹も引っ込める) はい、脱力(緩和)。

脱力した状態で・・・・ビー玉が左尻から体内に入ってきました。ずーっと背中の皮膚のすぐ下をクロスして通って、右肩から抜けていきます。はーい、こんどは右肩から出ていった玉が、また右肩から入って来て背中を通って、左尻から出て行きました。
 これを右尻→左肩、左肩→右尻、肛門→頭部、頭部→肛門の6パターンをペアでやってみて、互いに「観察」し、気づいた点を指摘し合う。必要であれば、指先でポイントする。

気づいたことを指摘することについて。間違っていても全く構わない。そもそも我々が経験を積んで習得していくモノやコトは、直線的に積み重なるのではなく、スパイラル状に身に付いていくものだと思う。だから経験を積むに連れて、会得した「真理」が、だんだん違っていうように見えてくる。で、更に経験を積むと、またその「真理」に戻ってくるというような体験をするだろう。だから、間違ったことを指摘した、と思っても、「さっき指摘したことはマチガイでした」と言ってはならない。常に、今 どう思ったかを指摘するようにしなさい。過去に戻っての指摘はだめです。常に「今」です。

うーん、わかったような、わからないような・・・なんか、とてつもなく「真理」のような気配もするが。。。

山海塾では、踊るときに鏡を見ることは禁止しています。(そういえば、前面の鏡部分が黒い布で覆われている)他のダンス系、特に西洋系(バレエとか)などでは、積極的に鏡の前で練習するようですが、ウチではだめ。なぜだめかは、直接だれからも教えを受けてないが、多分、こういうことだと自分で納得しています。

1)自分の動きを鏡を通して見ること自体が、もはや自分の「動き」ではなくなっているということ。2)舞踏の練習で、動きの修正をされるときに、コトバで修正される。例えば手の位置や動き、カタチを「視覚」で確認して覚えるのではなく、自分のカラダの「知覚」で覚えなければならないから。舞踏中に、手の位置や動きを「視覚」で確認できない場面のほうが多いくらいだから。(聞いていたときには納得していたのに、自分ではうまく説明できない)

今回のワークショップは、時間も短いし、最後に作品を上演するという目的でやってはいないけれど、やっぱり何か踊りのようなものを練習して、実際にやったほうが参加している皆さんも面白いと思いますので。じゃあ、その作品に必要な「要素」を学んでいただきます。こんな短期間に「できるようになる」はずはないですから、気楽にやりましょう。 おー、そうだよなー。昨日の、仰向け寝から徐々に正座まで持ってくる動き一つにしても、蝉丸先生が納得できるようになるのに3年かかったらしいし。(片手間の3年ではなく、プロとして取り組んでの3年)

というわけで、基本的な「立ち」方の練習から。 いつも自覚しなければならない三つのコト。 1)頭の上から糸で吊るされている感覚  2)肩の力を抜く  3)目線をまっすぐ、半眼で(ぼんやりと)

立ち位置で、イメージを動きにする練習。 お腹の右前からビー玉がカラダの中にはいってきました。ぐるっとカラダの皮膚のすぐ下を背中の方にまわりました。はいーぐるーっと廻ってそして腹の左前部分から対外へ出ていきました。はい、この逆も。
 つぎはビー玉が直線で動きます。すなわちー、腹の右前から入ってきたビー玉は、真っ直ぐお腹を突きぬけて、背中の左後ろ部分に行きました。まだ突き抜けません、まだ体内にいます。こんどは背中をまっすぐ右側に動いて背中の右後ろにきました。まだ出ませんよ。で、体の中をクロスして左前の腹にきます。真っ直ぐな動きで。最後にまっすぐ腹を横断して最初の位置に戻りました。

この二つの動きの違いをイメージして、それを動きに表わすのが、けっこう難しかった。なにせ、鏡が見れないものだから、動いていて、自分がやっている動きが、それぞれどう違って見えるのかが解らないからだ。でも、先生は、そんなことは重要じゃないという。あなたが、どうイメージで差別化しているかが重要なのだと。あなたの内部の差、なのだと。 う〜〜ん、哲学なのだなあ。。。

「歩行」訓練。「立ち」の基本状態から、非常にゆっくりと足の大きさぶん(26cmとか)だけ、一歩踏み出す。かかとから着地する。通常の「歩き」と異なる点は、膝を伸ばさないということ。足に「ため」を作り、通常の10倍以上の時間をかけて、ゆっくりゆっくり前に進んでいく。 。。。と、途中で雑念が入ってくるため(次の動作を、アタマで意識すると、だめらしい)、「歩行」が乱れることがある。

はい、乱れまくりました。小さいころ緊張して歩くと、同じ側の手と足がそろって前にでちゃうみたいな、ぎこちなさ。その乱れがその瞬間に自覚できるだけに、かえってもどかしい。なんともはや。。。。で、二日目終了。